サイコパスというと他人に興味がなく、冷酷で残酷な仕打ちを平気でやって見せるといったイメージがあります。しかし、そういうイメージに反して、「サイコパスと言われているけれどもあの人は実は優しい!」と言われることがあったりもします。サイコパスの人が「実は人を傷つけるために優しいフリをしているのか?」という問題について心理学的に説明してみます。
サイコパスの人というのは特に「共感能力」が低いと言われています。それは確かにそうなのですが、他人に興味がないという特徴に反して、「自分の関心があるものに対しては愛情深く接する」という本当の性格を持っています。歴史上でサイコパスで有名な豊臣秀吉も、無情に農民たちを虐待する反面、自分の孫に対してはとても愛情深い態度で接していたことで有名です。
そもそも我々も遠い海の向こうの国で戦争や飢餓で亡くなっている人が山ほどいたとしても心が痛むことはないので、本質的には誰でもサイコパスの性格は持っているとも言えます。ですのでサイコパスというのは、「自分や自分の愛する人」と「赤の他人」との間で感情のふり幅が病的に大きいという特徴になります。
社会的に見るとサイコパスの人は他人の感情にあまり左右されないために、たとえ冷酷だと言われたとしても事業の目的を達成しやすく、高い地位にいるケースがあります。会社などでそういう人が上司になったりすると、「自分は興味を持たれていない!」と感じたり、攻撃性が怖かったりして、非常に付き合いにくいと思います。
そういうサイコパス的な人への対抗策ですが、それは「その人から好感を持たれる」ことで、そのためにその人に対して関心を持ち、その人が好きなものを研究して、強く共感することが重要です。サイコパスの人は情のふり幅が広いため、いわゆるヤクザやマフィアのように自分の「家族」だと思えた時には、非常に深い情を持って付き合ってくれるようになります。
気を付けなければならないのは、サイコパスが深い愛情をもって接しているときに、もし「裏切られた!」と感じる時があると、より凶暴な残酷さをもって攻撃を始める可能性が高いことです。サイコパスの傾向がある人が気に入るような振る舞いをし続ければ、いったんは良い関係を作ることができますが、その人はもともとの本質はサイコパスであるため、愛情や愛着のようなものが失われると、とたんにサイコパスの性格が表に出てきてしまいます。
もともとサイコパスは本質的に人との信頼関係を築くことが苦手で人格が未成熟なため、「愛情」がそのまま「憎しみ」にひっくり返ってしまいます。ですので結論的には、やはりサイコパスの人と付き合っていくこと自体が難しいために、可能であれば一定の距離を保ったまま、うまく接していくことが安全だと言えます。
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