スピリチュアルとはどういうことか、というと、語源としては魂(スピリット)であり、精神や霊魂、目に見えない世界のことを主に言います。その成り立ちはキリスト教であったり、ニューエイジや医療ですが、結局は、魂の成長を目指しているため、私たちの生きる意味が大きく変わるきっかけとなります。
スピリチュアルがなぜ生まれたのか?ということを考えるときに、宗教、とくにキリスト教の歴史や教義などを知ることが助けになります。では、スピリチュアルとはどういうことか、というと、簡単にいうと宗教の権威主義や教理主義に反発するもの、として生まれてきました。
それはどういう意味かというと、どの宗教でもそうですが、教祖が生きている期間というのは霊性と活気に満ち溢れているので、特別、スピリチュアルを強調しなくても、そうなっています。しかし、宗教は教祖が亡くなってからが問題で、宗教団体を維持していくために、権威や儀式、教義を強調するために、だんだんと心の喜びがなくなっています。そして、宗教としての霊性の喜びの不足から、スピリチュアルの必要を叫びはじめるのです。
キリスト教の代表的な例でいえば、カトリックの権威主義の反発から宗教改革が起こり、プロテスタントが生まれました。
そして、現代では、キリスト教やユダヤ教の教義自体がねじ曲がっているものとして、スピリチュアルが強く流行しつつあります。スピリチュアルでは宗教への所属や教義について考えるのではなく、その人の魂のあり方や成長について考えます。
結局、スピリチュアルとはどういうことか、というと、世界の始まりや、死後の世界などを、禅問答のように考えようとはしていません。むしろ、今この瞬間をどのように生きるのかに集中して、その結果として、肉体のなかに存在する魂を成長させることを目標とした思想だと言えます。
スピリチュアルとはどういうことか、を考えていくと、私たちの人生を生きる意味について説明せざるを得ません。スピリチュアルにある重要な思想として、進化論があげられます。ご存知のように進化論とは、動物が突然変異により、環境への適応能力が高いものが生き残り、進化していくというダーウィンの説です。
人間への進化を振り返ると、かつて4本足で歩いていたサルが、どうしても2本足で歩かざるを得ない状況になりました。そして、2本足で歩くようになった結果、頭を安定して支えられるようになり、脳が発達し、人間に進化したと言われています。
ダーウィンの進化論はここで終わりですが、スピリチュアルでは人間の精神の部分も、環境によって選別され、より高い次元へと進化していくと考えています。
心理学的に、ざっくりと大きく分けて考えると、子供というのは精神が動物に近く、本能を中心として自己中心です。逆に、大人というのは精神が成熟して、社会で生きていくために、他者に関心を持ち、利他的だと言えます。また、大人は自分の子供がいるために、愛、を持っていると考えられています。
大人になっても自己中心的で、精神が子供のような人は、昔は、人に気づかれなくて、社会のなかにもそういう人が多くいたりしました。しかし、現代ではSNSなどが発達したために、すぐに噂になり、自己中心的な人は社会のなかでハブられるようになり、経済的に困窮しています。
これはあたかも、手先が不器用なサルは、脳が十分に発達できず、生存競争に敗れていったことに似ています。現代社会では、いったんコミュニケーション能力がある程度なければ、会社や団体から雇用されません。そして、コミュニケーション能力の土台となるものは、スピリチュアルが強調する、他者に対する関心や愛です。
最後に、スピリチュアルとはどういうことか、本当の意味について説明します。
スピリチュアルは、人間が、スピリチュアルの世界にふさわしい、魂(スピリチュアル)となることを推奨する思想です。なぜ思想なのかというと、スピリチュアルは宗教に対する反発から生まれているので、宗教ではないからです。
スピリチュアルで強調する考え方には、以下のようなものがあります。
1つめに、自分を愛し、大切にすることを推奨します。自分を愛せない人は、他人も愛することができません。自分にとって、人間を代表する人間とは、自分だからです。
2つめに、他者への愛を強調します。スピリチュアルの世界では、蒸気機関のポンプのように、愛を与えれば、それがいつか返ってきて受け取ることができます。他者への愛が、最終的には、自分の幸福につながるのです。
3つめに、自分の中に、魂の成長を導く、神のような高度な存在があると信じています。魂が成長したり、人と人とが愛の関係を結べるのは、人間が根本的にそういう高度な存在を持っているからです。性善説に近い考えかたですが、反対に、成長できないものは淘汰されていくとも考えています。
4つめに、守護霊の存在を信じます。夢を見ている時に、守護霊から現実問題を解決するための、さまざまな知恵を学んでいると考えます。守護霊になってくれる霊は、自分の先祖であったり、科学や宗教など、人類の繁栄させる使命のなかでの、自分に似た先駆者であったりします。
また、当たり前ですが、人間である以上、最高の幸せをのぞんでいるため、スピリチュアルも人間の最高の幸福を目標としています。そして、その方法が魂の成長、であると考えます。この考え方は、経営学や心理学、成功哲学が主張する、他者に対する関心、愛、が大切であるという内容と一致しています。
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