アダムとイブというのは聖書の創世記に出てくる私たち人類の先祖となる男性と女性です。アダムとイブが神が絶対に食べるな、と戒めを与えた善悪を知る木の実を食べてしまい堕落をしたと書かれています。その果実はリンゴと言われていますが、では本当にリンゴを食べたことが人間の堕落の原因になるのでしょうか?本当の意味を紹介します。
なぜ善悪を知る木の実がリンゴと言われているのか?
「善悪を知る木の実がリンゴ」という解釈は、聖書の物語には直接的な根拠がないものです。実際に、聖書の記述では果実が具体的に何であったかは明示されていません。そのため、「善悪を知る木の実がリンゴ」という表現は、宗教的な伝承や芸術作品によって広まった民間伝承やイメージの一部として、一般的に認識されるようになりました。
「リンゴ」という果実が関連付けられる要因として、以下のような理由が考えられます。
- 西洋の文化におけるリンゴの象徴性: 西洋の文化において、リンゴは知識や認識の象徴としてしばしば言及されてきました。たとえば、ニュートンの物理学の発見を伝える有名な逸話で、リンゴが落ちて万有引力を発見したとされています。
- ラテン語の誤解: ラテン語で「リンゴ」を意味する「malum」と、「悪」を意味する「malum」という単語が似ているため、混同された可能性があります。この誤解が広まったことで、「善悪の実がリンゴ」という解釈が生まれたとされています。
ただし、リンゴが善悪を知る木の実であるという明確な根拠はなく、宗教学や聖書学の専門家は様々な果実の可能性を指摘しています。したがって、「善悪を知る木の実がリンゴ」という解釈は、文化的な伝承やイメージに由来するものであり、聖書の記述そのものではありません。
人間が善悪の知識の実を食べた直後の行動
聖書の中では、知識の実を食べた後にアダムとイブは自分が裸であることを知って恥ずかしく思い、「イチジクの葉で自分の下半身を隠した」と書かれています。
重要なのは「葉っぱで隠した」という内容で、具体的にどの部分を隠したのかというと、男性と女性のいわゆる「性器」の部分です。
子供は何か悪いことをすると、本能的にその原因となったものを親から隠そうとします。そのことからアダムとイブは「性器によって罪を犯した」と推測できます。
この聖書のアダムとイブの失楽園の物語は、人間の「原罪」の物語であると言われています。人間の原罪というのは、アダムとイブを人間の始祖とする先祖から「血縁」を通じて、全ての人間が持っている罪です。血縁を通じて繋がると言うことは、「性と繁殖」というシステムを通じて広がった罪であると言えます。
その他の「淫乱」がアダムとイブの罪となる根拠としては、以下のようなものがあります。
・ 失楽園の物語、自体が、過去でも現代でも不倫や浮気の物語の題材として扱われている。
・ 「食べる」という表現が、食事だけでなく、性的な行為をする意味を持っている。
・ 「ヘビがイブを誘惑した」と書かれていますが、誘惑は主に性的なものを中心として使う言葉です。
アダムとイブの他にいたもう1人の登場人物
スピリチュアルの観点になりますが、失楽園の物語の中にアダムとイブ以外にもう1人の登場人物がいます。それはヘビです。ただし、それはただのヘビではなく「言葉をしゃべるヘビ」と書かれています。
言葉をしゃべるヘビというのは存在するはずがなく、神の天地創造が終わった時点で言葉を話すことができる存在は、「神」「人間」「天使」の3つしかいません。ですので、ヘビの正体は天使であり、天使がイブと堕落をして、堕落をした天使がヘビ、もしくは悪魔に変わってしまったと考察されます。
では、ヘビとイブが何をして堕落をしたのかというと、「ヘビがエバを誘惑した」「食べた」「イチジクの葉で下部を隠した」とありますので、当然、不倫の関係を結んで堕落をしたと言えます。なぜ不倫であるかというと、神はイブの本来の配偶者をアダムと決めて創造したからです。
善悪の実とは禁断の果実であり、本当の意味は禁断の愛である
ヘビと象徴される悪魔(堕落した天使)と禁断の愛の関係を結んだイブは悪魔の妻となり、悪魔の妻となった状態でアダムとの関係を結んだため人間の堕落が決定的になりました。
その証拠としてアダムとイブの子供であるカインは、神から愛を受ける弟のアベルに嫉妬して、野原でアベルを殺してしまいます。カインはアダムとイブから血縁的に原罪を受け継いでいるため、我知らず殺人の罪を犯してしまったのです。
人類の歴史を振り返ると、それは戦争と殺人の歴史であったとひも解くことができます。しかし、人類は長い歴史を通して、少しずつ倫理や道徳、良心を成長させて戦争や殺人の少ない現代社会へと発展してきました。
しかし、それにも関わらず残っているのが「性犯罪」の問題です。心理学では人類から全ての犯罪がなくなったとしても、性犯罪だけは最後まで残り続けると研究しています。それは、淫乱が人間の罪の根であり、原罪であるからです。
このような観点から、アダムとイブが食べたリンゴの意味とは、人間の天使との禁断の愛によって、自己中心のエゴ主義の愛が芽生え、人間の原罪として、全ての人類に血縁を通して繁殖してしまった、ことを言います。
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