ペットが亡くなるというのは人生において大きな衝撃となることがあります。ペットロスと呼ばれる現象ですが、そのような辛さを和らげてくれる「虹の橋」という詩がとても有名です。自分が人生を終えて霊界にいったときに、生前に愛したペットが天国の手前で待っていてくれるという内容ですが、スピリチュアルの観点からその意味を紹介します。
虹の橋の詩の内容
虹の橋は作者が不明の詩ですが、以下のような本文になります。
天国のちょっと手前に
虹の橋と呼ばれる場所があります。
この世界で誰かと特に親しかった動物は死を迎えると、虹の橋に行くのです。
そこには親しかった彼らのために用意された草地や丘があり、
動物たちは一緒に走ったり遊んだりできるのです。
豊富な食べ物に水、お日様の光があり、
動物たちは暖かく心地よく過ごします。
病にかかったり年老いた動物たちは皆、健康になって元気になります。
傷ついたり不自由な体になった動物たちも、また元通りになって力強くなります。
まるで、過ぎ去った日々の夢のように。
動物たちは幸せで充実していますが、一つだけ小さな不満があります。
みんな、とても特別な誰かと、残してきた誰かと会えなくて寂しいのです。
彼らは一緒に走ったり遊んだりしています。
しかし、
ある日、一匹が突然立ち止まり、遠くを見つめます。
その瞳はきらきらと輝き、
身体はしきりに震え出します。
突然、彼は群れから離れ、緑の草を速く、速く飛び越えて行きます。
彼はあなたを見つけたのです。
そして、ついにあなたとあなたの特別な友だちが出会うと、再会の喜びにあなたは抱き合います。
そして二度と離れることはありません。
幸福のキスがあなたの顔に降り注ぎます。
あなたは両手で再び最愛の友の頭をなで回します。
そして、あなたは信頼にあふれる友の眼をもう一度覗き込みます。
その瞳は、長い間あなたの人生から失われていたものですが、心から決して消え去りはしなかったものです。
それから、あなたは虹の橋を一緒に渡って行くのです。
なぜペットが天国の手前で待っているのか?
哲学の世界には存在論というものがありますが、これはこの世界がどのように存在しているのか、を研究している分野です。
その存在論によれば、この宇宙はご存知のように、物質や生物の細胞などを土台として、宇宙や地球のような存在として存在しています。
しかし、そういう地球や宇宙は、人間がいてはじめて、「地球」や「宇宙」という意味のあるものとして認識することができるという世界観があります。
前者が存在するから存在する、という物理的な世界観であり、後者は最近はやりの量子力学的な人間を中心とした世界観です。
なぜこの話をしたかというと、死後の世界を考えてみた時に、死後の世界とこの世の世界がある程度の共通性があると考えられます。その場合、前者のようなすでに準備された死後の世界があると思いますが、後者のような人間の主観(いわゆる魂の力)によって創造される世界も当然ありうると考えられるからです。
結論から言うと、ペットはペットであるので、天国の手前で飼い主を待っていると言えます。ペットではない動物が天国の手前でウロウロしていたとしても、根本的にあまり意味がないと言えるからです。
では、ペットと普通の動物の違いは何かというと、それは人間と結んだ愛情関係があるのかどうかです。
ペットというのは例えるならば人間の子供のような存在で、人間が一方的に面倒をみて愛情を注いでいきます。また、人間の子供とは違って、成長して大人になって旅立っていってしまうのではなく、寿命も短いために、生涯を飼い主と共にして、愛情を注がれ、その飼い主の愛情に対して愛嬌や愛情をもって恩返しをしながら一生を終えます。
そのように人間と結んだ愛情関係を土台として、動物の魂は成長していきます。動物の魂は人間の愛を土台として、人間の魂に近づいていきます。飼い主の愛によって魂の質が変わっているからこそ、ペットは天国の手前まで行くことができるようになるのです。
なぜペットは飼い主と一緒に天国に入っていくのか?
ペットはなぜ人間と一緒に天国に入っていくのでしょうか?それは天国は人間のために準備された場所であるからです。
動物の一生には善も悪もありません。言うなれば本能のままに生きていて、全ては自然の摂理から外れることはなく善なる存在であると言えます。肉食動物が草食動物を残酷に食べたとしても、それは自然から見れば善なる行いです。
しかし、人間は違います。人間は自分の意志で善いこともできますし、悪いことをすることもできます。悪いことをして楽をしたい、という欲望を押しのけて善いことを行ったときに、人間の魂は成長して天国に近づきます。
愛というのは人間の善を代表するものです。愛のなかでも特に、自分を犠牲にしてまで他者を愛そうとすることは、人間の魂をもっとも成長させていきます。
愛する自分のペットを愛し、幸せにして、ペットの死後にも善と愛を実践しながら一生を終えたひとは、魂が成長して自然と天国の方に導かれていきます。
そして、虹の橋の手前で生前に愛し合ったペットに再開をして、一緒に虹の橋を渡り天国に入っていくのです。これがスピリチュアルから考察した虹の橋の詩の本当の意味になります。
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