アドラー心理学をわかりやすく解説!フロイトとの違いやなぜ嫌われる勇気が必要なのか!!!?

人生哲学
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アドラー心理学は比較的最近有名になり始めている心理学で、「嫌われる勇気」という本が流行して日本では広く知られるようになりました。心理学というと長くトラウマ論で有名なフロイト心理学が主流でしたが、フロイトとアドラーの違いやなぜ「嫌われる勇気が必要なのか?」などを中心にわかりやすく解説します。

アドラー心理学とは?

アドラー心理学を理解するときに助けになるのはフロイト心理学との関係です。アドラーとフロイトは同時代に生きて交流もあった心理学者ですが、アドラーはフロイトの全ての問題の原因を「トラウマ」と決めつけることに強い反発を感じ、「人の内面には何の問題もない!」と主張しました。

人の内面について目を向けないとすると「では何に関心を持つのか?」という疑問がわきますが、それは「他人との関係」です。実際に人の悩みの90%は「対人関係」であるので、割り切ってその部分にだけにスポットを当てることは効果的だと言えます。

アドラー心理学では対人関係のなかで「自分自身の目的」だけに注目する「目的論」の手法を使い、対人関係を調整しようとします。例えばあるカップルがいて、女性が男性のDVに悩んでいるとします。その時にその女性は「男性のDVやめさせる!」という「目的」を持とうとし、そのために「男性にDVをやめてほしい!」と要求する方法を取ろうと考えます。しかし、実際には女性はその男性に対して「もしかしたら男性は気分を悪くしてしまい自分と別れようと言ってくるかもしれない」などと考えてしまい、結局、その女性が目的を達成するための「方法」を実行できなかったりします。

なぜ嫌われる勇気が必要なのか?

このカップルの場合、女性が男性の持っている「DVを続ける、もしくは別れる!」という男性の「目的」を気にしすぎてしまい、自分の「DVをやめるように要求する」という解決策が取れなくなってしまっています。しかし、女性は「要求する」という行動なしには、決して自分の目的を達成することはできません。

そこでアドラー心理学ではこの女性の目的が達成できるように、その方法や目的に対する「勇気づけ」を行います。そして、勇気を出してこの女性が男性の「目的」に影響されることなく、自分自身を表現することができたときにはじめて、この男性との関係を一歩踏み出すことができます。しかし、その時に勇気をもって行動したものの、結局、男性との関係がこじれてしまい嫌われる可能性もないとはいいきれません。なので「嫌われる勇気」をもって、自分の人生を切り開いていこうとすることを、アドラー心理学では推奨するのです。

アドラー心理学が目指すものとは?

アドラー心理学は「人間一人」という単位をこえて、少し社会学的な理想を持っているのですが、それが「共同体」という考え方です。共同体というのはわかりやすく説明すると「人が集まったグループやコミュニティー」になります。

アドラーは他者との関係の基本は「相手の目的(課題)」にはあまり影響されずに、自分の「目的」を達成しようとすることであると言いましたが、それは他者をないがしろにしてよいと主張しているわけではありません。むしろ人と人とはつながりあい、互いに影響を与え合っているものであるため、そのコミュニティーが健全で、発展的であることができるような対人関係を築いていくことを理想としています。「どのような共同体が理想か?」という疑問は「どのような社会が理想なのか?」と同じことであるので、心理学の次元を超えて社会学や政治の世界に関わる内容に拡大していきます。

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